SIMカードには、加入者を特定するための識別情報として
「電話番号、メールアドレス、契約情報」
が記録されています。
同じ携帯通信キャリア(通信事業者)で同じ通信方式であれば、このSIMカードを差し替えるだけで自分のモバイル端末として使えるようになります。
電話帳、メール送受信データ、写真データなどは、SIMカードではなくモバイル端末本体に記録されていますので、SIMカードを外しても個人情報データは端末本体に残っています。機種変更でデータ移行される際には注意が必要です。
NTTドコモでは「UIMカード」、auでは「au ICカード」、ソフトバンクでは「USIMカード」と呼んでいますが、基本的には互換性があるので、一般的にはSIMカードと呼ばれています。MVNO(仮想移動体通信事業者)でもこのSIMカードという呼称が使われています。
SIMカードのサイズは「標準SIM/マイクロSIM/ナノSIM」と3種類あります。端末の機種によって使えるSIMカードのサイズが決まっていますので、そのサイズに合ったSIMカードを差し替えて利用します。
通信キャリア(通信事業者)が異なる場合、モバイル端末本体には他の携帯通信キャリアのSIMカードを差しても使用できないようにロックがかけられています。(
「SIMロック」
)
「SIMフリー」
とは、このSIMロックが掛けられていないことを指しています。(SIMロックフリーとも言います)
SIMフリーモバイル端末であれば、携帯通信キャリアに依存せず通信方式が対応していれば、契約済みSIMカード差替えで使用できます。
スマートフォンやタブレットの普及で、SIMフリー版のモバイル端末が販売されるケースが増えてきています。
また、総務省からのSIMロック解除の義務化により、日本国内の全携帯通信キャリアがSIMロック解除に対応するようになりました。(2015年5月)
NTTドコモでは、以前(2011年4月以降)よりSIMロック解除に対応していましたが、他2社も対応するようになりました。製品購入日からおよそ6ヶ月経過していれば、インターネット受付では無料で、ショップ店頭では手数料3,000円ほどでSIMロック解除ができます。
NTTドコモでは、SIMロック解除実績のある契約者にはSIMロック解除受付が緩和されています。
SIMロック解除することにより、海外で現地の格安なプリペイドSIMカードなどを使えるようになるので、海外によく行く人にとってはメリットがあります。
2015年11月以降、SIMロック解除されている中古の白ロムが数多く出回るものと思われます。
● SIMロック版iPhoneについて
通信事業者から販売されているSIMロック版iPhoneは、iPhone専用SIM扱いになっており、他のAndroid端末とは互換性がない場合があります。またiPhone同士でも、(iPhone5とiPhone5s/cなど)バージョンにより異なる専用SIMが使われている場合がありますので、注意が必要です。iPhone専用SIMへの乗り換えには、店頭持込みで機種変更手続きが必要になります。
2015年5月以降に販売されている機種(iPhone6s/6sPlus以降)は、SIMロック解除対象になっているので、SIMロック解除手続きすれば、他社のSIMカードを使うことができます。
● au端末の紐付けロックについて
auのモバイル端末は、SIMカードとモバイル端末が紐付けロックされている場合があります。SIMロックとは別で、同じauのモバイル端末同士でもSIMカード差替えだけでは使用できないようにロックが掛けられたものです。紐付けロックされているauモバイル端末をSIMカード差し替えで使用するには、auショップでの機種変更(ロッククリア)手続きが必要になります。最近の機種(au 4G LTE対応機種や一部のスマートフォン)は、ロッククリア手続きは不要です。